2026年10月25日、ローマのコンベンションセンター「La Nuvola」で、 イタリアのワインガイド『Vini d’Italia 2027』の発表と、 最高評価「トレ・ビッキエーリ(Tre Bicchieri)」を獲得した ワインの大試飲会が開催されました。
2027年版では、540本のワインがトレ・ビッキエーリを獲得。 この試飲会に向けて、ガンベロ・ロッソは 「ぜひ試してほしい12本」を紹介しています。
選ばれたのは、イタリアワインを代表する名門生産者の6本と、 個性的な産地や醸造方法、小規模生産者に注目した6本。 今回は、その12本を紹介します。
※この12本はイタリアワインの総合ランキングではなく、 ローマの試飲会に向けてガンベロ・ロッソが選んだ注目ワインです。 香りや味わいについては、同誌の評価を要約しています。
イタリアワインを代表する名門の6本
1. シャルドネ・エルヴェ・アン・フュ・ド・シェーヌ 2024
Chardonnay Élevé en Fût de Chêne 2024
生産者:Maison Anselmet(メゾン・アンセルメ)
産地:ヴァッレ・ダオスタ州
品種:シャルドネ(Chardonnay)
ヴァッレ・ダオスタ州のドーラ・バルテア川近くでワイン造りを行う ジョルジョ・アンセルメ。 標高550〜900メートルの畑で、 地域のさまざまなブドウ品種を栽培しています。
今回選ばれたシャルドネは、 果実味とミネラル感に繊細なスモーキーさが重なり、 調和の取れた味わいと非常に長い余韻が評価されています。
※ヴァッレ・ダオスタ州では、イタリア語とフランス語の両方が 公用語として使われています。 そのため、ワインの名前にもフランス語が使われることがあります。 「Élevé en Fût de Chêne」はフランス語で 「オーク樽で熟成させた」という意味です。
2. バローロ・アルボリーナ 2022
Barolo Arborina 2022
生産者:Elio Altare(エリオ・アルターレ)
産地:ピエモンテ州
品種:ネビオーロ(Nebbiolo)
エリオ・アルターレは、バローロの醸造に変革をもたらした 「バローロ・ボーイズ」の一人として知られています。 現在はシルヴィア・アルターレがワイナリーを受け継いでいます。
2022年のアルボリーナは、チェリーやバラの香りに、 ほのかな植物的ニュアンスが重なる、 繊細でエレガントなワイン。 奥行きのある味わいときめ細かなタンニンを備え、 余韻にはドライフラワーやタバコを思わせる香りが現れます。
3. ボルゲリ・サッシカイア 2023
Bolgheri Sassicaia 2023
生産者:Tenuta San Guido(テヌータ・サン・グイド)
産地:トスカーナ州・ボルゲリ
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)、
カベルネ・フラン(Cabernet Franc)
ボルゲリのワイン造りを大きく変え、 世界的な名声を築いたテヌータ・サン・グイド。 サッシカイアは、イタリアを代表する赤ワインの一つです。
2023年のサッシカイアは、 ラベンダーやベルガモットを思わせる繊細な香りと、 塩味を感じさせるようなタンニン、 軽やかでエレガントな口当たりが高く評価されています。
テヌータ・サン・グイド
サッシカイア 2023
4. コスタ・ダマルフィ・フローレ・ビアンコ・フィオルドゥーヴァ 2025
Costa d’Amalfi Furore Bianco Fiorduva 2025
生産者:Marisa Cuomo(マリーザ・クオーモ)
産地:カンパーニア州・アマルフィ海岸
品種:フェニーレ(Fenile)、
ジネストラ(Ginestra)、
リポリ(Ripoli)
アマルフィ海岸のフローレで、 マリーザ・クオーモとラッファエーレ・フェッライオーリが 育ててきたワイナリー。 海を望む急斜面の畑で、 地域に根付いたブドウ品種を栽培しています。
フィオルドゥーヴァは、 熟した果実と地中海沿岸の草木を思わせる香りが特徴。 味わいには塩味を感じさせるニュアンスがあり、 精密さと長い余韻が評価されています。
5. シチリア・ノート・サンタ・チェチーリア 2023
Sicilia Noto Santa Cecilia 2023
生産者:Planeta(プラネタ)
産地:シチリア州・ノート
品種:ネロ・ダーヴォラ(Nero d’Avola)
プラネタ家は、シチリア各地のテロワールを表現する ワイン造りで知られる生産者です。 サンタ・チェチーリアは、 ノート地区で造られるネロ・ダーヴォラのワインです。
花の香りに、ケッパーやローリエを思わせる 青々としたニュアンスが重なる複雑なアロマが特徴。 みずみずしい果実味とエレガンスがあり、 後味は長くすっきりと続きます。
6. トゥッリーガ 2022
Turriga 2022
生産者:Argiolas(アルジオラス)
産地:サルデーニャ州
品種:カンノナウ(Cannonau)主体、
カリニャーノ(Carignano)、
ボヴァーレ・サルド(Bovale Sardo)、
マルヴァジア・ネーラ(Malvasia Nera)
アルジオラスは、 サルデーニャのワインを語るうえで欠かせない生産者の一つ。 1938年に小さな農地から始まり、 現在では土着品種の個性を表現する 幅広いワインを手がけています。
代表作のトゥッリーガ2022は、 熟したチェリーにスパイスのニュアンスが重なり、 口の中では黒い果実の風味が豊かに広がります。 柔らかく包み込むような味わいが印象的な一本です。
個性と発見に満ちた6本
7. ルガーナ・チェメント 2024
Lugana Cemento 2024
生産者:Marangona(マランゴーナ)
産地:ガルダ湖周辺・ルガーナ
品種:トゥルビアーナ(Turbiana)
ガルダ湖畔に広がるルガーナで、 ラウラとアレッサンドロ・クトロが手がけるワイン。 「Cemento」という名前は、 セメント製タンクを使った醸造に由来します。
ルガーナ・チェメント2024は、 香りの複雑さと奥行き、 生き生きとした味わい、 非常に長い余韻が特徴です。 ガンベロ・ロッソは、 ルガーナを新たな次元へ導くような一本として評価しています。
8. プリモ・ダンフォラ 2023
Primo d’Anfora 2023
生産者:Argillae(アルジッラエ)
産地:ウンブリア州・オルヴィエート北部
品種:グレケット(Grechetto)、
ドルペッジョ(Drupeggio)、
マルヴァジア(Malvasia)
ジュリア・ディ・コジモが手がけるアルジッラエは、 オルヴィエート北部に位置するワイナリー。 地域のブドウ品種を生かしたワイン造りに取り組み、 有機的な栽培方法や再生可能エネルギーの活用など、 環境にも配慮しています。
プリモ・ダンフォラは、 3品種をブレンドしたアンフォラ仕込みの白ワイン。 熟した桃や黄色い花の香りが広がり、 柔らかな果実味を生き生きとした酸が支えています。 長く続くミネラル感のある余韻も特徴です。
9. カペロッソ・センティ・オー! 2025
Caperrosso Senti Oh! 2025
生産者:Fontuccia(フォントゥッチャ)
産地:トスカーナ州・ジリオ島
品種:アンソニカ(Ansonica)
トスカーナ州の沖合に浮かぶジリオ島。 ここで約5ヘクタールの畑を手がけるロッシ兄弟は、 島の伝統的な白ブドウ、アンソニカの個性を 表現するワイン造りに取り組んでいます。
今回選ばれたカペロッソ・センティ・オー!は、 ガンベロ・ロッソの「Vini Rari(希少なワイン)」にも 選出された一本。 生産本数は2,000本弱で、 ジャンヌートリ島を南に望む区画のブドウから造られています。
ヨード、ユーカリ、アプリコットを思わせる香りに、 ふくよかで生き生きとした味わい。 余韻には海を感じさせる塩味のニュアンスが残ります。
10. コッリーネ・ルッケージ・テヌータ・ディ・ヴァルジャーノ 2023
Colline Lucchesi Tenuta di Valgiano 2023
生産者:Tenuta di Valgiano
(テヌータ・ディ・ヴァルジャーノ)
産地:トスカーナ州・ルッカ周辺
品種:サンジョヴェーゼ(Sangiovese)、
メルロー(Merlot)、
シラー(Syrah)
ルッカ近郊の丘陵地帯に位置する テヌータ・ディ・ヴァルジャーノは、 ビオディナミ農法の先駆的な生産者として 知られています。 土壌や周囲の自然環境との調和を大切にしながら、 ワイン造りを続けています。
2023年の赤ワインは、 サンジョヴェーゼ、メルロー、シラーをブレンド。 赤い果実や黒い果実の香りに、 トーストやスモークを思わせるニュアンスが加わります。 豊かな果実味と凝縮感のある味わいを備え、 深く力強い余韻へと続きます。
11. ベンヴェヌート・ジビッボ 2025
Benvenuto Zibibbo 2025
生産者:Cantine Benvenuto
(カンティーネ・ベンヴェヌート)
産地:カラブリア州
品種:ジビッボ(Zibibbo)
ジョヴァンニ・チェレステ・ベンヴェヌートの ワイナリーは、カラブリアのティレニア海沿岸に 古くから伝わる「ジビッボ・ディ・ピッツォ (Zibibbo di Pizzo)」の再評価に取り組んできました。
2025年のベンヴェヌート・ジビッボは、 黄色い果肉の果実、エルダーフラワー、 ハーブ、菩提樹の花、柑橘類を思わせる 多彩な香りが特徴です。
フレッシュでありながら豊かな口当たりと、 柑橘系の長い余韻が評価されています。
12. カンノナウ・ディ・サルデーニャ・レ・アンフォレ・ディ・エレナ・カサデイ 2024
Cannonau di Sardegna Le Anfore di Elena Casadei 2024
生産者:Olianas(オリアナス)
産地:サルデーニャ州・ジェルジェイ
品種:カンノナウ(Cannonau)
サルデーニャのサルチダーノ地方に位置する オリアナスは、トスカーナ出身の醸造家 ステファノ・カサデイが立ち上げに関わった ワイナリーです。
ここでは、エレナ・カサデイを中心に、 アンフォラを使ったワイン造りの研究が 続けられています。
今回受賞したカンノナウは、 ジョージア産のテラコッタ製アンフォラで 醸造・熟成されたワイン。 オーク樽由来の香りを加えずに、 ブドウそのものの個性を表現しています。
チェリーや地中海の草木、 ハーブを思わせる香りが広がり、 繊細でエレガントな味わいが特徴です。 塩味を感じさせる風味と、 なめらかな飲み心地が評価されています。
12本から見える、イタリアワインの多様性
今回紹介した12本には、 イタリアワインを代表する名門生産者のワインから、 小規模なワイナリーが手がける個性的なワインまで、 さまざまな一本が選ばれています。
産地やブドウ品種だけでなく、 醸造方法や生産者の考え方にも、 それぞれの個性が表れています。
『Vini d’Italia 2027』の発表内容や、 トレ・ビッキエーリを獲得した540本については、 ガンベロ・ロッソ『Vini d’Italia 2027』発表の記事 で詳しく紹介しています。
